お知らせ
青・朱・白・玄
2009.04.01 [ 井林院長MonthlyTale ]
090401 4月朝礼訓示 #0904
昨春4月7日から当院に赴任しましたので、丁度丸1年が経ちました。今年から入社される新人の方々、本当におめでとうございます、そして早く慣れて大いに誠愛リハビリテーション病院と患者さんのために頑張って下さい。
春は、人生80数年に例えれば正に20歳過ぎといったところ、自分のことを振り返っても、この先沢山の楽しいことが待っていますし、何でも出来そうな気がしているのではないかと思います。処が、気がつくと知らぬ間に光陰矢の如く時は経って行きますので、何か大きな目標と夢を心に抱き、日々の着実な努力を続け乍ら、毎日を大切に悔いなき青春、朱夏、白秋、玄冬へとご自身が主人公となって、一度しかない大切な時を刻んで行って欲しいと思っています。
話は変わりますが、我が家の10歳になる雑種犬は目が見えません:6歳の頃に原因不明の緑内障を患い、最高の治療を施すも眼内炎(血管炎)が進行し硝子体出血を繰り返した挙げ句に、最終的には両眼球とも萎縮し失明しました。そんな彼女が朝方5:00前に、珍しく申し訳なさそうに微かに数回吠えたのです。
ヒトですともう70歳を超えておりますし、眠い眼をこすり乍ら(正直言いますと)自分のトイレついでに階下に降りて行くと、エサをやっても食べませんし、玄関口に落ち着かない様子で座り立ちし、どうやら外に出たがっているようです。お腹もグルグル鳴っているので、やっぱりトイレかなと思い直し、自分だけスッキリでは申し訳ないナという気持も働いて、未だ真っ暗な中を散歩に出掛けました。どうやら体調が悪かったらしく、すぐに消化に良いのでしょう、名前も知りませんがある種の雑草の葉っぱを選んで食べ出しました。そしていつも通り人工浜の海岸で用を足して、普段通り元気なJoanneに戻りました。ヒトと違って言葉は話せないわけですが、我々より余程、謙虚で遠慮がちな立ち居振る舞いに何時もながら感心してしまいました。普段、失語や半身麻痺・感覚障害などで高次脳機能や身体の不自由な患者さんのリハビリのお手伝いをしている小さな病院ではありますが、気配りという面で細かい配慮に欠けてはいないか急に心配になりました。さぞや色々とご不満なども少なくないであろうと、新年度を迎えた今朝、いつもより1時間も早い愛犬との散歩をし乍ら改めて考えさせられる良い機会となりました。私にとっては、久々に優しい気持になれた新年度初日であると同時に、いつもは批判的な家内や子供たちからも、「父さん、今日は優しかったね、エラいね」と、一寸複雑なお褒めの言葉。
今日は、桜満開の中、平成21年度最初の病棟総回診、そして午後からは入社式があります。ヒトや生き物に優しい気持ちを忘れず、新年度も皆さん力を合わせて頑張りましょう。