お知らせ
第1象限の生き方
2009.05.11 [ 井林院長MonthlyTale ]
090511 5月朝礼訓示 #0905
「眼には青葉、山ホトトギス、初鰹」、薫風かおる良い季節になりました。博多ドンタク祭りを挟んだ大型連休も終わり、パンデミック・フルー(PandemicFlu)に関する休み明けの海外渡航者の動向など大変気になるところです。
さて、今月は一寸シリアスなお話「第1象限の生き方」なんぞを一つ(だんだん小話調になりますね)– 中学で初めて幾何学を教わった時には、40数年経って人生の節目を前に、再び妙な形でこの”象限なるもの”を想い出すとは思ってもみませんでした。分かりにくいかも知れませんが、仕事を X 軸、家庭を Y軸としたときに、果たして両方ともプラス方向に自分の立ち位置を定められているかどうかということです。今の時代、リストラに会うことなく幸いにも、厳しい乍らも医業という仕事を余り思い詰めることもなく X 軸上で何とか続けて来ることができました。周りの多くの先輩、同僚、後輩たち、そして何よりも病院職員や患者の皆さんの御蔭だと心底思っております。勿論、今まで自分勝手で我が儘な性格を、家族が辛抱して認めまた協力してくれて初めて成立していたわけですが、果たして妻や子供たちに対する Y 軸はプラスの方向に一緒に歩めて来れたのでしょうか?善し悪しは別として、自分は XY 軸ともプラス方向の第1象限にベクトルを頑張って向けてきたつもりが、実は X 軸を挟んでミラー像に当たる大きく離れたマイナス Y 軸座標の第4象限に居りやしないか、、、。否、ひょっとすると、仕事上でも実は周囲の方々に大いに迷惑をかけ続けているのに、自分だけ裸の王様宜敷く、プラスと思っていた X 軸までもが実は虚像で、これまた更に遠く離れた XY 軸ともマイナス方向の第3象限の端っこで自己満足の世界で struggle していたりして、、、。
未だ還暦までにはあと数年あるのですから、ここらで(中々自分のベクトルの基軸は変えられないと思い込んできましたが、、、)、両軸を少しずつ軌道修正し、本業以外の趣味をもっと広げ大事な家族や周りの方々にも眼を向け、自他ともに認められるデューアルプラスの XY 座標(正真正銘の第1象限)における人生を送らねばと思い直した近頃です。最近は、世界全体が3次元〜4次元の複雑な時代に突入しておりますが、2次元に Z 軸が加わる立体的空間というだけで既に自らの数学能力を軽く超えてしまいますので、まずは単純な平面上での第1象限を目指し日々精進・恩返しすべく努力して参りたいと考えます。
昨年春に大学病院から異動してきました当脳卒中回復期リハ病院は、外来/常勤医ともに九大入局者を中心とする脳卒中の専門医の先生方がほとんどなので、初めから X 軸はプラス方向に傾いており、ごく自然に軟着陸でき日々の仕事を楽しくさせて戴いて来ました。この場を借りて院内各部署の関係各位ならびに患者の皆さんに心より感謝申し上げる次第です — 愈々あとに残るは家族だけです — 引き続き、当院をどうぞ宜しくお願い申し上げます。