お知らせ
脳卒中週間と標語
2009.06.01 [ 井林院長MonthlyTale ]
090601 6月朝礼訓示 #0906
皆さん!先週の5月最終週は、“脳卒中週間”というのをご存知でしたでしょうか?本来は7年前、12 月の寒い時期に設定され始まったのですが、実は蒸し蒸しする梅雨入り直前の時期こそ、脱水になりやすい高齢者の脳梗塞や、フラツキに伴う転倒や打撲がもとでの外傷性脳出血が意外に少なくないのです。
折角ですので、過去の脳卒中週間の最優秀標語を列挙することに致します。
平成 14 年「脳卒中 倒れる前に まず予防」と「逃すな前ぶれ、早めの受診」
平成 15-16 年「脳卒中 予防は日々の 暮らしから」
平成 17 年「脳卒中 予防を支える 家族の目」
平成 18 年「1分が わける運命 脳卒中」
平成 19 年「脳卒中 素早い受診が 早める復帰」
平成 20 年「おかしいぞ 何か変だぞ すぐ受診」
そして今年は、、、「脳卒中 健康過信を ねらいうち」(次頁のポスター参照)
これらを改めて復唱して感じるのは、ほとんどが予防そして急性期の早期受診についての標語ばかりです。脳卒中は起こってしまえば、瞬時あるいは数日かけて顔面/手足の麻痺や呂律不良などの神経症状が出てきますし、95%以上が何らかのリハビリを必要とします。そこで、自分勝手に標語を作ってみました。
「脳卒中 起こってしまえば ノーリターン」- 元の生活に戻りにくいという意味を表現したまでで、早期からのリハビリ励行で今ではかなり戻り得ます。
「リハビリは 辛いぞきついぞ でも継続」- 初めは、起こった病状をなかなか受容できない方、落ち込む方、認識できなくなってしまう方など色々です。
「脳卒中 一度なったら No しょっちゅう」- リハビリは勿論のこと、再発予防やリスク管理の見直し、はたまた潜在する癌などの存在にも注意すべきと、個人的には強く感じています。偉そうなことを言う専門家ほど、一番注意しないと行けないのかも知れませんけどね。
先週たまたま、WHO の世界保険統計局から、日本人の平均寿命がまた世界1(♂79 歳–サンマリノ、アイスランドに継ぎ3位:♀86 歳–24 年間連続1位:平均すると 83 歳で首位)と報じられていましたが、当院でも超高齢の脳卒中患者さんが増えてきております。日々介護をなさっておられるご家族は勿論のことですが、病院で看護やリハビリをする側の人たちも、大半の患者さんがご高齢でしかも程度の差こそあれ認知機能も障害されているため、絶えず見守りを行いながらの日夜の勤務は、余り陽が当たらず目立たぬ職種である上に、それは人一倍気苦労も多く大変であろうと想像します。しかしここで、今一度“誠実で愛情に満ちたリハビリ医療を提供する”を単純明快で覚えやすい病院理念/基本方針として、各人が密かな矜持(pride)を胸に、患者さんやご家族の皆様のご期待に沿うべく、今後とも明るく楽しく元気に頑張って欲しいと思います。
平成21年度5月最終週の「脳卒中週間のポスター」です。