お知らせ
初めての3D映画
2010.05.10 [ 井林院長MonthlyTale ]
100510 5月朝礼訓示 #1005
今年のGolden Weekは日本全国いつになく雲一つない快晴続きで、真夏日のような暑い日が続きました。少々、博多ドンタク連休ぼけの状態ですが、同時にリハビリテーション医学会や神経学会総会などの当院に関連する学会シーズンが5月中旬に迫っており、そろそろ気を引き締めねばなりません。
そうこう言い乍らも、先日初めて2時間近くもある3D映画を観てきました。思った程スクリーンから激しく飛び出るようには感じませんでしたが、確かに今までにない手法を用いている様子で、その仕掛けの方がまずは気になってしまった私は、途中で頭を左右に回したり傾けたり、さらには片目ずつ閉じたり眼鏡を外してみたり、本編開始後も暫くは全く映画の内容に集中できませんでした。近々、3Dの家庭用TVも発売されるようですが、様々な分野における凄まじいまでの進歩にただ驚嘆するばかりです。本年1月にアメリカで行われた家電見本市で話題の中心となった3D-TVですが、今年中には実際に数社から市場に登場するとのことです。立体映像は、右目と左目で異なった視差のある映像を脳内で合成することで生じる訳で、我々がMRA画像の頭蓋内血管を寄り目で3Dに置き換えて見ているのと同じ原理だろうと思います(下図)。家庭用3D-TVでの仕組みは「フレームシークェンシャル方式」というもので、右目用と左目用の映像を交互に入れ替えた毎秒120コマ以上の高速映像(従来の2倍以上の「倍速液晶」を採用)を、特殊なシャッターメガネを通して観察するものなのだそうです。シャッターメガネは画面と同期しながら、右目用のコマでは左目側を、逆に左側のコマでは右目側を閉じることで同じ画面を見ながら、右目と左目は違った画像を見ることになるのです(3Dで見るMRA所見は単に両眼同時の静止画像ということになります)。ただ、映画館でも実際に体験してみて気になりましたが、高速で映像を切り替える「フレームシャッターメガネ」を使うためスクリーン画面が全体的に暗くなりやすく、今後はスクリーン自体に相当する部分に対しより高性能の改良が求められることでしょう。
左右の像が寄り目で3Dに!今や、テレビゲームや絵本などでも、バーチャルリアリティというか3D的な 仮想現実を追い求めたものが大流行りです。逆に、何かと現実逃避したくなる事柄も一昔前に比べ少なくないような気がします。上手く行かなければリセットすればいいじゃん、、、といった安易な考え方は、現実社会では通用しません。矢張り地道にコツコツと、日々の小さな仕事を積み重ねて行く努力と辛抱が重要かと考えます。現時点での3Dで見てとれる様々な結果(含む、検診でのメタボ傾向)は、過去の我々の生き方が作り上げた結果ともいえます。今ここにある眼鏡では誤魔化せない3Dの現実をもっと直視して行かねばと思います。