お知らせ
最小不幸時代?!
2010.10.04 [ 井林院長MonthlyTale ]
101004 10月朝礼訓示 #1010
暑さ寒さも彼岸までとは良く言ったもので、お彼岸を過ぎ10月に入ると、朝晩は急に薄暗くなり、そして車や室内のクーラーが要らない程涼しくなるものです。そう言えば自分の場合は、早朝の犬の散歩後に浴びるシャワーの温度調整の仕方でも季節の変わり目を感じたりしています。
先週末は、気の置けない専門の異なる仲間達を誘って勉強会をした上で、その後は無礼講の楽しい会食をし、引き続きの3次会で午前様になってしまいました。学年や勤務形態、身分こそ皆さん異なりますが、年に1−2回の言いたか放題のガス抜きコンパみたいなものです。自分が一番年嵩なのですが、患者さんを相手にした診療面ばかりでなく、生きる上での人生観や見習うべき真面目な考え方などは、いつもながら後輩達に学ぶところが大きいのです。その内の一人のDrから、日野原重明先生の推薦辞の帯で巻かれた、彼自身の著作による新刊本を戴きました。医者は患者とともに揺れる舟に乗り込んで、少しでも快方に向かう岸にたどり着くべく、互いに思いやって協力し合うのが最前の医療ではないかと言う素晴らしい内容で、巻末には「患者名人5か条」と「良医を見分けるための7か条」が実に簡潔な言葉で列挙されていました。いつも診療に終われ医師会等の仕事もしながら、なおかつ大好きなお酒もやりながら(失礼?!)、一体全体いつ執筆する暇などあるのだろう、、、などと酔いに任せて遂ぞ失礼な言を発してしまいましたが、矢張りイチロー宜しく、何気ない仕事でも自分の能力を最大限に引き出すべく日々目立たずとも努力を積み重ねているのだろうなと、自己猛省ならびに後輩達の皆さんに感心したのでありました。
酒浸りでは行けません、秋は学会のシーズンでもあります。そんな中、最近は学会総会の目玉に用いられるのか、主催者側からアンケート依頼が頻繁に舞い込んできます。出来るだけ協力は惜しみませんが、週に3つも4つもとなると流石に時間もなくお断りするようにしています。全国の平均化されたアンケート集計によるデータを知るのも時には宜しいのでしょうが、教室における独自のオリジナルな研究や新たに発見されたnew clinical entity(新規疾患単位)などの発表の方が学会も数倍楽しめるような気がします。最近でこそ欧米に引けを取らない様々な日本発のエビデンス成果が少なくありませんが、その数が増えれば増える程、解釈の方もますます難しくなり、アメリカ的な宣伝紛いのエビデンスになってしまわないよう注意が必要な気がしています。
最後に、民主党や菅首相のマニフェストである「最小不幸社会」は何となく良い響きに聞こえないのは自分だけでしょうか?色んな考え方や本当は深い意味もあるのでしょうが、どうせなら「最大幸福社会」と言って欲しいところです。昨夜(10/3)“夢の扉”という好きなTV番組で観た、脊髄損傷回復スペシャリストのリハビリジム開設者の話(http://www.tbs.co.jp/yumetobi/)にはとても感動しました。決して諦めず自分で限界を設けることなく、一つの夢に向かって挑戦し続ける人は皆美しいと思いました。同時に、今までの半年経ったらもう
ダメよといった常識にとらわれないリハビリの工夫がとても新鮮に映りました。