福岡県大野城市にある回復期リハビリテーションに特化したリハビリテーション専門病院

誠愛リハビリテーション病院

   

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創造、改革、伝承

2010.11.01 [ 井林院長MonthlyTale ]

1011 11月朝礼訓示 #1011

急に寒くなったり、季節外れの台風や大雨に見舞われたり、相変わらずの天候ですが、秋を余り感じないまま晩秋に突入した感じです。秋の味覚も十分堪能していないのが実に残念ですが、皆さんは如何でしょうか?
先月は10/12-20まで、韓国は慶州ソウルで開催された第7回世界脳卒中会議と、引き続き原州ウォンジュにある延世(Yonsei)医科大学での”脳卒中疫学セミナー”に行って参りました。脳卒中は日本や韓国などアジア諸国に多い疾患であり、最近では降圧治療の進歩や減塩対策で死亡率こそ激減していますが、先進諸国ではメタボや高齢者人口増加の影響もあり、発症自体は決して減っていないことが世界レベルでも示されました。厳格な降圧治療の次は、禁煙や糖尿病/脂質異常症対策を講じて行かねばなりませんが、欧米諸国とアジアにおける心血管病のリスクや疾病病態や治療内容(気功や漢方を取り入れる考え:写真)の違いなど、知っている筈の事項なのですが改めてglobalな視点からみて大変勉強になりました。「世界では今、6人に1人が脳卒中を患っている」とのポスターとともに世界脳卒中Day(10月29日)の宣伝も盛んになされていました。

学会期間中、市内南部に位置する回復期リハ病院で有名なボバース記念病院を訪れました。早々と超高齢化社会に突入した日本では、介護保険制度が 2000 年に開始されていますが、同じ状況が急速に迫りつつある韓国でも 2008 年から同制度が始まったばかりです。しかし、我が国の良い点を積極的に取り入れ、仏教とキリスト教が半々といった風土に合うよう改良しながら、効率のよい近代的なリバビリ病院やケアハウス、老人マンションなどが併設され、目覚ましく発展している様を目の当たりにしました。その他、三成(サムスン)や現代(ヒュンダイ)などの発展大企業が経営する 2,000 床以上規模の総合病院がいくつもあり、国立病院や大学附属病院に比べても医師を含めた職員数や建物が遥かに大きいので、この点は日本が大きく水を空けられてしまった感があり驚かされました。国民性についても、概して穏やかで真面目な人が多く英語も大変上手なのが印象的でした(兵役制の是非は別として、未だに医師も兵役か僻地診療が数年間義務付けられているようです;60 年近く、南北朝鮮戦争休戦中でした)。
延世医科大学(創立 125 周年を迎え、韓国一の伝統を有し非常にレベルの高い私立医科大学として有名)はソウルから約2時間離れた郊外の美しいウォンジュ市に位置し、周囲を綺麗な山々や湖に囲まれており和紙ならぬ韓紙(伝統的なハンジ)でも有名なところです。紙の発明から始まって、時代にとともに次第に改良され、如何に他国に伝えられたかについての紙創りの歴史が、詳細に展示された韓紙博物館は自分には大変興味深いものでした。同時に、日本で言えば明治半ばに設立され、創造、改革(改善)、伝承を1世紀以上守り続けた医学校の若い先生方との同一目線の自由闊達な交流は、壇上からの高名な先生方による最先端の演題を one-way で聞くことの多い国際学会とは、また違った意味で multi-way に膝を交える楽しさがあり、このような機会を今後も大切にして行ければと思いました。
帰国した翌週からは、ソウルの学会会場でもあった COEX センターの大ホールが、早速「G20 会議」の各国放送記者団会場にすっかり模様替えされていました。世の中の動きはダイナミックで、しかも今は日本以外のアジアの若い国々も世界から熱い眼差しで注目されつつあるようです。自分たちも、歴史の浅い福岡の小さな民間リハビリ施設ではありますが、世界に向かって常に何か新しい情報を発信できる、しかも患者さんに優しい病院を目指し、「創造、改革、伝承」の Key Words を心に留め精一杯努力し続けないと行けません。

The 7th World Stroke Congress 会場となった COEX Center

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