お知らせ
目標は過去形で:「テキスト発刊、有り難うございました!」
2012.09.03 [ 井林院長MonthlyTale ]
120903 9月朝礼訓示 #1209
亜熱帯のようなスコールに見舞われる日が年々増えている印象ですが、今年の夏の暑さや湿度は結構厳しいものでした、、、例年に比べ節電の意識も芽生え、電気製品への細かい配慮に加え、エコ減税商品や目新しいクーリンググッズの数々にも関心が及んだのはいい事でしょう。
先週末は、快晴の残暑の中を7〜8年振りに沖縄の研究会に出掛けました。着陸間近に眼下の景色を眺めながら、白い珊瑚礁やエメラルドブルーの海、緑鮮やかな無人島とグラスボートで子供達と遊んだ光景が何故か懐かしく思い出されました。高度を下げ始めたアナウンスの後に座席のリクライニングを元に戻し、ふと南方向の入道雲の裾に低く垂れ込めたグレーの雲群に目をやると、那覇空港周辺がボンヤリ太い煙突のような雨柱に覆われているように見えました、、、案の定、滑走路は過ぎ去ったスコールですっかり濡れており、晴れ間から差し込む灼熱の太陽熱でコンクリ−トの表面からは蒸気が沸き立っています。
今回の講演会(医局の後輩で琉球大内科教授の先生のご企画)は、九州一円の先生方を対象とした日曜日午前中のほんの2−3時間の開催でしたが、それ以外の時間は8月末〆切で集めた 16章分300頁弱の『脳卒中リハビリテーションとチーム医療』の最終原稿の校正のみに時間を費やしました。本書は当病院各部署総出で執筆した初めてのテキストですので、慣れない中を努力してくれた30数名の職員の皆さんのご苦労に対し感謝と労いの気持ちを込めて、集中努力し普段と違い可成り真面目にチェックを入れさせて貰いました。往復の機内ばかりでなく、沖縄のホテルでも折角の大型温泉やプールに一度も入ることなく、只管原稿に加筆訂正の朱筆を入れ、同時に索引用語のラインマークを付けながら、字は勿論近くのものが二重に見えるまで頑張り過ぎたからか、お蔭ですっかり視力が悪くなってしまいました。気付けば、全体を俯瞰した巻頭言が最後の最後に残ってしまい、これから慌てて書き上げる予定です。
そもそも本テキスト執筆話の切掛けは、2009年夏に綾戸智絵さんとの脳卒中対談(*下記)でお世話になった某医学雑誌編集部の担当の方と同郷の誼みで親しくなり、福岡に来られた際につい引き止めて夕食を御馳走したことに端を発します。本来、全国の脳卒中やリハビリ専門の先生方に分担執筆依頼をと考えていましたが、テキストの場合お一人でも執筆が滞ってしまうと、費やす時間次第で該当本が世に出ないこともあって、実際に過去にそれが原因で終ぞ教科書上梓に至らなかったという悲しい経験もしておりました。そこで、北海道出身で(余りいい表現ではないのですが)飢餓精神というか情熱・開拓魂溢れんばかりの敬愛すべき同世代の担当者と膝を突き合わせて相談した結果、厚かましく烏滸がましいことは先刻承知の上で、赴任2年目ではありましたが当院のチームワークを示すいい機会ということで、当院の院内多職種のみで少し時間は長くかかっても構わないのでテキスト執筆の寛容なるお許しを戴いたという次第です。 * http://www.seiai-riha.com/pdf/MonthlyTale16.pdf
それから3年を経て、やっと前述の最終段階に入ったという訳です。初めは2年くらいと高を括っておりましたが、矢張り総説すら書いたことのない職種の方々が少なくなく、結構な難作業になってしまいました。でも今年中に発刊されれば、当院としては万々歳なのです、、、どうぞご期待下さい。これから未だ最終の詰めが残っていますので、雑誌編集部スタッフにはより一層のお手間をお掛け致しますが、上梓の折にはまた担当の方々を博多にお招きして、是非ともポケットマネーで今度は玄海の魚料理でも御馳走したいと計画中です。お楽しみに!
個人的にロンドン五輪ボクシング男子ミドル級金メダリストので村田諒太のファンです。彼の過去形で目標を立てるというのが面白い:「金メダルを有り難うございました!」と冷蔵庫に貼って練習していたそうです。それを TTP(徹底的にパクって)して、今回は、、、
「皆さん!『脳卒中リハビリテーションとチーム医療』がついに発刊されました、有り難うございました!」