お知らせ
リハビリにも幸せホルモン?
2013.06.03 [ 井林院長MonthlyTale ]
130603 6月朝礼訓示 #1306
5 月末の脳卒中週間 –今年の標語はそろそろ出尽くしてきた感もあるようですが、「呂律が回らず 手がしびれ これはともかく 救急車」に決定! — も過ぎ、早くも梅雨明けの先週は、東京フォーラムで開催の日本神経学会学術大会に参加しました。
最終日(4 日目)のいよいよ最後の口演セッション「脳卒中リハビリテーション」の座長をしながら、相変わらず神経内科領域では多い病気なれど、他疾患の目覚ましい診断治療の進歩、遺伝的解析、さらには new clinical entity 登場には到底及ばず残念でした。脳卒中に限ってみても今流行の脳血管内device や新規抗血栓薬を用いた急性期治療に比べると、どうしてもワクワク感や華やかさに欠ける所為なのでしょうか、脳卒中医療・ケアの括りの中では相も変わらず、悲しいかな、端の方に追いやられている印象でした。
当院ではしかし、ようやく最近になって、医局、リハ部、そしてついに看護部からも、国内はもとより国際学会に演題がボチボチですが受理されるようになり、小さい話ながら実は嬉しくとても感激しています。“たまたま外国の学会に出せたから何だ”とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう、、、大学病院や国公立の大規模施設のように、若手医師を含め大学院や教育職を目指す志が尚く意欲旺盛な職員が大勢いるところでは当たり前かも知れませんが、中小規模かつ少ない職員数で研究費も皆無の中、細々と日々の臨床に頑張っている民間病院から、精一杯背伸びをした年に 1-2 回の世界へ向けての情報発信は、結構大きなエネルギーを要する仕事だと分かって戴ければ幸いです。
この 1 ヵ月半の間、FL(藤島レベル)9 にも関わらず食物を誤嚥/窒息し翌日に逝去なさった患者さんや、リハ転院してきた当日から妙な咳痰が気になり直ちに調べた結果バリバリの肺結核が判明した患者さんなど、立て続けに思いもよらぬ事故が度重なり現場での指導力の未熟さを痛感していたところです。スタッフたちの素早い対応や真摯な行動や処置のおかげでベストの結果とは言えないまでも、良いチームの形に少しずつ繋がってきているような実感を抱いています。自分は常々周囲の素晴らしい仲間に恵まれてきたなぁと今になっても思えることは幸せなことですし、これまたちょっとした感動です。周囲の細かいことに気を配りながら、一つひとつ”lucky!”と感動しながら、例え初めは見せかけでも相手に優しく接する癖を身につければ、脳内のセロトニンやオキシトシン*(幸せホルモン・思いやりホルモン)が次第に分泌されるようになり、抗うつ薬なども要らず精神衛生上とても良いことなのだそうです。家族(特に自分の場合は、愛犬とのスキンシップ)や病院の職員の皆さんに、これからも感謝し感動しつつ、暫く続くうっとうしい梅雨を乗り切りたいと考えています。*:自閉症の薬にも使われてるそうです。