お知らせ
進化する回復期リハ病院
2015.01.19 [ 井林院長MonthlyTale ]
150119 1月朝礼訓示 #1501
恭賀新年 — 乙未(きのとひつじ)の年!
今年は西暦2015年、平成27年の幕開けです。例年通り昭和で言えば当に昭和90年:第二次世界大戦後70周年(古希)という節目の年になります。先日1/17は、あの悲劇的な阪神淡路大震災から丁度20年を迎え、同様に3月にはあの悍ましいオーム真理教による一連のサリン事件から早や20年が経過します:20年など“アッ”という間です。
回復期リハビリ病院とは、、、各科が揃った大型総合病院に比較すれば、最新医療機器を用いて先端医療診断を施すわけでもなく、また新進気鋭の超優秀な若手スタッフが大勢いて日夜バタバタ急患に追われるわけでもなく、新薬を用いた臨床治療試験を数多く手掛けるわけでもなく、入院患者が急変しても(急性期治療は分業化されているため)回復期で緊急治療を施すわけでもありません。慌てて急性期病院に搬送する症例もたまにはありますが、全体的に時間がゆったりと流れ 急性期病院から見れば実に物足らない印象は拭えません(先週土曜日夕方に講演した内容の一部です)。
このように 一般的には軽視されがちな分野ですが、実は「必ずしもそうではない」と最近強く思うようになりました。脳卒中や大腿骨頸部骨折など起こるときは一瞬ですが、その後のヒトとしての尊厳を含めた人間修復の回復期は想像以上に長く辛く感じるもので、この間にスタッフたちは優しくかつ厳しく個々のケースに合わせながら励まし続け9割以上の在宅復帰を目指し努力する日々の連続なのです。病院が全室個室の新築で、食事もプロシェフ級に美味しく、スタッフも周りの何処より皆若く美男美女を揃え、そのうえ患者さん本位で何でも言うことを聞いて差し上げ、なおかつ異例なほど早く退院できる・・・そういう条件は残念ながら当院には備わっておりません。その代わり、不便なところはできる限り工夫改善し、患者さんに対し優しさと気の利いた味わいある職員達が、時に悩み時に叱咤激励しながら、国が決めた期間を可能な範囲で十分時間をかけて有効なリハビリを提供すべくstruggleしているのです。定期的なご意見箱のお叱り事項は特に重視し、委員会で確り調査した上で丁寧にフィードバックするよう努めていますし、特別早く退院される方々にはメディカルメディエーターの相談員が直接可能な範囲でお話を伺い、またはアンケートを回収してその後に役立つようにしています。そんな中、昨年秋以降 一時は160人弱に落ち込んでいた入院患者数も、皆様のお蔭で早晩 190人を超えそうな勢いで少々安堵しております(波のように繰り返しますが、、、)。
回復期や維持期の施設においては、包括医療(所謂マルメ)のため詳細かつ学問研究的な諸検査はできません(急性期病院で該当疾患について精査されているという前提です)。薬に関しても、急性期病院で処方された高価新薬などは全てこちらの手出し負担となるため、できれば従来の旧薬やジェネリック薬品に切り替えざるを得ないのが現状です。その分、医療従事者たるもの生き残るためには 常に勉強する努力と弛まぬ向上心が必須だと思っています — 自省を込めて今後も面倒がらずに勉強は続けたいと考えます。
四季折々の行事など、若いアイディアマンの職員達がこの数年で多くの発案を行い、当院も年々楽しい雰囲気が増加しつつあるように感じています。クリスマス会の内容や、正月早々の病棟特設「誠愛神社/大社」、福祉部主催の家族に向けた(介護保険その他に関する)勉強会、EST/FCT/DCT各チームの地道な活動、医科歯科共同の回復期診療(この1月から非常勤の歯科衛生士の方も就職)などなど、今年も益々ATM (明るく、楽しく、前
向きに)をモットーに頑張って参りたいと存じます、どうぞよろしくお願い申し上げます。
クリスマス会/大忘年会
誠愛神社/大社のご案内 神社作成チーム(3&5病棟が頑張りました)
回復期リハビリ病院は、まだまだ創意工夫でやれることは 急性期病院に負けないくらい、あるいは それ以上に沢山あると思っています、、、年々進化できるよう 今年も皆でATMの精神で頑張って参ります!!!