お知らせ
一日一用のススメ
2017.02.06 [ 井林院長MonthlyTale ]
170206 2月朝礼訓示 #1702
1月は第1、第2月曜が休日、その後はインフルエンザ院内流行の兆しのため全体朝礼は続けて延期(感染症対策チームICT委員会の判断により早めのタミフル予防投与が効を奏し程なく沈静化)、、、したがって本日が今年初めての全体朝礼での皆さんへのお話となります。今月のMonthly Taleのテーマは「一日一用のススメ」です。
2月に入った昨日、お年玉付き年賀ハガキの当選番号チェックを – 若い頃からの“乍ら族”の癖が抜けきらず – 行儀悪くテレビを眺め乍らワイン片手に行っていましたが、何度も手を止め都度末尾当選番号を確認し乍らの作業がゆえに、何と効率の悪いことか思わず時間が掛かってしまいました。学生〜大学勤務時代もテレビ観乍らラジオ聴き乍らの気合の込もらぬ勉強(試験勉強や論文書き)や、幾つかの仕事を掛け持ちで同時に熟さざるを得ない習慣を続けてきたのですが、決して効率は良くなかったのではないかなと今頃になって気付く次第です。多少要領が良いと思われていたかも知れませんが(ある意味手抜きで雑で不正確、当然間違いも少なくなかったでしょう)誰しも凡人ですから、聖徳太子のように同時に36人の話を聞き分けるなどといった芸当はできる筈もなく、周人も宜しくは思っていなかったかも、やはり一つのことにジックリ集中し取組むことが人として真摯な姿勢であり生きる上でもとても重要なことだったと反省しています。
歳をとると知力・体力は時間軸に沿ってゆっくり脆弱化していきますが、その結果として一度機に或いは一日にあれもこれもと複数の用事を熟せなくなっていくようです。記憶力や行動力だけでなく、視力や髪毛、皮膚〜脚腰含めた筋骨力も弱くなり、従来簡単だったことがやり辛くなりとても情けなく感じるものです。高齢の母や伯母達も同じことをより身近に日々実感しているようで、「此の所 “一日一用”で静かに暮らしております」とのお年玉付き当選ハガキに筆で認められた挨拶文はとても印象的でした。
翻って、最近では年中行事の予定を従来のDoctor手帳や日記帳でなく、スマホのカレンダーに而も音声入力のsiriを利用して登録することが多くなりました。過去や未来のイベントなど簡単に調べることが可能ですし、友人誕生日や重要記念日なども電源が切れていない限り決して忘れることはありません。一日に数件の諸用が重なってもどんな秘書よりも正確に知らせてくれますので、、、本当に便利になりました。しかし、ふと一体誰と何処に行ったのだったと幾ら思い出そうとしても出てこないことがあります。 1-2行の短い文章でも簡単なメモでもいいので矢張りキチンと自分の字で日記をつけないと駄目だなと思うこの頃です。自分の場合 デッサンのお絵かきメモでも効果的です。実は元旦から一念発起して10年日記 Decade Diary を再開しています;病院に着くとまずは机上の日記帳を開いて書き込むという日課に変えたところ、数年前の同日の記憶がスマホと違って鮮やかに蘇って来ることが多く、お蔭で楽しい毎朝を過ごしています。ただ、准高齢者世代に近づいた所為か毎日のように重要事項が沢山ある訳でもなく、意外に“一日一用”を見つけ遂行すること自体そう簡単でもないことを自覚しました。皆さんにはピンとこないでしょうが、とにかくその日一番の自分にしかできない用事を見つけ 1日1日を大切に充実した時間を過ごすよう自ら習慣付けたいと願うばかりです。