お知らせ
宝を守る
2018.07.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
先月の monthly tale で、職員は病院の宝だと書きました。ところが実際の仕事をみていると、皆さんは様々なリスクに曝されています。患者さんから感染症を移される、介助中に怪我をする、ちょっと目を離したすきに患者さんが転倒・転落して骨折させてしまう、薬を間違える、対応が悪いと患者さんを怒らせてしまうなどなど、数えればきりがありません。
職員が宝というからにはもっと安全な職場にしてほしいと思うのはもっともなことですが、医療や介護という職業には上記のようなリスクは常に付きまとい、ゼロにすることはできません。病院が皆さんにして差し上げれるのは、いかにして自分の身を守るかという術を伝授することです。それが、作業手順であり、仕事上の約束事です。
マニュアルに書いてあることは皆さんの行動を制限することのようにとらえられがちですが、実はそうではなくて、皆さんの安全を確保するためにはどうしたらよいかという内容なのです。作業手順を守る、ダブルチェックをするなど、そんなことは分かっていると言われるかもしれませんが、実際に起こった医療事故を見てみると、そのような基本的な約束事が守られていないことがどんなに多いことでしょう。とくにダブルチェックをする2人目の人がミスを見逃したために起こった事故は少なくありません。二人目の確認者は、自分の判断がどれほどの意味を持つかを常に意識して仕事に当たってください。
しかし、どんなに一生懸命頑張っても、所詮、人間は間違う生き物なのです。事故を起こさないことが何よりも大切。しかし事故になってしまったとき、ミスのために困ったときに取るべき選択肢は決まってきます。直ちに部署の上司に相談してください。報告を受けた上司はさらにその上司に直ちに伝えてください。病院一丸となって、危機管理体制を敷きます。それがあなた方の身を助ける唯一の方法と言っても過言ではありません。
自分のミスが患者さんに不利益を与えたら、決して包み隠したりしてはなりません。隠ぺいが最悪の方法だということを肝に銘じてください。皆さんが患者さんのことを考え、一生懸命やった結果が悪くても、真実を語り、嘘偽りを言わなければ、病院はあなた方を精一杯守ることを約束します。私も一緒に頭を下げに行きます。ですから安心して真っ当な仕事に励んでください。インチキは絶対にいけません。