働きやすい職場環境とはどんなものだと思いますか？
何はともあれ、明るい職場であることは必要な条件でしょう。暗い職場は患者さんにとって好ましくないのはもちろん、職員の精神衛生上も良くない筈です。明るい職場のためには次の 3 つを心がけてください。元気な挨拶、明るい笑顔、そして伸びた背筋（理事長風に言えば、背筋、笑顔、挨拶で SEA ですね）。この３つを兼ね備えている人は、どんな職場でも必ず周囲から愛され、大事にされます。嘘だと思ったら、今日からやってみてください。周囲の人が、そしてそれ以上に自分が変わるはずです。
みんながお互いに助け合うことも大事ですね。困ったときに救いの手を差し伸べてくれる仕事仲間に恵まれることは本当に幸せなことです。これもまずは自分からやってみましょう。少しだけ仕事に余裕ができたときに、周囲の人に手伝いを申し出ることができる人は、将来、必ず自分が困ったときに助けてもらえます。本当は助けてもらうために手伝うのではなくて、喜んでもらうために手伝うのですが•••
そんな温かく明るい職場は、皆さん自身の幸福度を高めます。しかし何事もそうですが、良いものは努力しなければ手に入りません。まず、自分からやってみてください。そして管理業務に当たる方々も、まずは自分が率先して SEAを実践し、ムードメーカーの役割を果たしている職員をしっかり評価して、後押ししてあげてください。
もう一つ、今日の話の中で最も強調したいことは、お互いに注意し合える職 場風土を作りましょうということです。世代間、役職間、職種間など様々なところに力関係というものがあります。それを一切なくすのは簡単なことではありません。しかし、患者さんにとって一番良い仕事を提供するという一点においては、職員のすべてが同じ土俵に上がるべきです。間違っていることは相手が誰であろうと、「患者さんのために私は～が一番良いと思いますが、違うでしょうか？」と投げかけることができるのが理想の職場です。投げかけられた方が、「自分のやり方を、立ち止まって考える機会を貰った」と感謝できるようになればしめたものです。ましてや自分の判断が誤っていたとわかったとしたら、それはとても大きな贈り物をもらったのと同じです。私くらいの歳になり、肩書がつくと、もう注意してくれる人はいません。
注意されて感情的になるのではなく、注意してくれる人を大切にする職場風土が醸成されるように、カンファレンスなどを利用して工夫してください。それが成功するかどうかはチームリーダーの力にかかっています。