お知らせ
淀む水、流れる水
2018.11.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
当院の入院患者さんの中には心房細動という不整脈を原因として脳梗塞を起こした方がたくさんいらっしゃいます。心房細動というのは、心房が小刻みに震えるばかりで、きちんと収縮できなくなる病気です。収縮できなくなると心房で血液が淀みます。その結果、心房内に血栓ができて、それが流れ出て脳動脈を詰まらせるために脳梗塞になります。
川の水もサラサラと流れているときれいですが、流れが淀むと濁ってしまいます。
人間の組織も同じです。変化が乏しく、同じことを毎日繰り返しているだけの組織は淀みます。淀みは人間関係を濁らせ、そこで働く人達の気持ちを腐らせてしまいます。そんなことにならないように、組織に淀みができないようにするのが、私の大切な役割だと思っています。
組織の停滞は、旧態依然という状態が引き起こします。誠愛リハビリテーション病院は長い間の経験と試行錯誤を経て、現在の姿になっており、完成度が高いものであると考えています。しかし、社会情勢は刻々と変わっています。昨日までは良かったものが、今日は悪いものとみなされるような価値観の大変革も比較的簡単に起こってしまいます。それを考えると、「これで完成!」などということはあり得ず、常により良いものを求めて自らを変えて行く柔軟性と力が組織には必要です。居心地の良いぬるま湯から出ることを厭っていると、いつの間にか周囲から取り残されます。痛みを伴う変革を恐れない勇気が必要です。
どんな小さなことでも良い。昨日より良くなることを常に意識することが全ての職員に求められていると思います。何か新しい試みに直面した時、デメリットをあげつらうことでメリットを見失わないようにしましょう。日常業務をこなすだけでなく、組織が淀まないようなアイデアと姿勢を持つ職員を、積極的に評価する組織でありたいと思っています。誠愛ドリームもその意識づけのための企画です。
一人の職員が一つの改善を提案したら、あっという間に 400 余りの改善案が出そろうことになります。それは組織を豊かにし、ひいては職員の豊かさにつながっていくものだと信じています。