お知らせ
私たちが大切にしたいもの
2019.05.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
新しい年度が始まり、元号も平成から令和となり、みなさんも新たな気持ちで仕事に励んでくださっていることと思います。一人一人が目標をもってそれに向かって努力することは大切です。しかし、組織として目指すべき方向性やゴールを、職員が共有しておくこともとても大切なことです。1000 人の人間が、それぞれ勝手に綱を引いたら、おそらくどの方向へも動き出すことはないでしょう。しかしみんなが同じ方向に向かって綱を引いたとしたら、象でも動かすこともできるでしょう(!?)。
私たちが共有すべき価値には様々なものがあり、一言で言い表すことは難しいと思います。しかし、みなさんと是非とも共有したい思いが私の中にあるので、今日はそれをご紹介します。
それは以下のようなある職員の思いです。これは私が赴任する前に行われたアンケートの中で語られた言葉です。私はこの言葉を読んだ時、目が釘付けになりました。
私たちに必要なものは何かと問われれて、その職員はこう答えています。
~麻痺した手を「大事な手」とそっと膝の上に乗せてあげる優しさ~
患者さんにとって麻痺して動かない手足は、いくら頑張っても言うことを聞いてくれないもどかしさから、憎しみの対象になることさえあるでしょう。また医療者にとって麻痺した手足は「病んだ体」「後遺症」「廃用手」としてしか認識されないことが多いのではないでしょうか。そのような手を「大事な手」と膝の上に乗せてあげる優しさこそ、私たちが共通の認識として持ち続けなければならないものだと信じます。
このような美しい言葉を語る職員が大勢いて、そんな職員を大切にする組織。誠愛リハビリテーション病院をそのような組織にすることが私の夢であり、進 むべき方向性です。そしてこのような言葉が、皆さんのなかから自然に溢れ出るような職場を作ることが私の仕事だと考えています。