お知らせ
コロナがくれた時間
2021.02.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
わが国で 2 回目の緊急事態宣言が発出されて、間もなく 1 か月になろうとしています。福岡も含めて全国的に感染者数が徐々に減少しており、一定の効果はあるようですが、まだまだ安心できるレベルではなく、政府はさらに 1 か月延長することを基本に調整しているようです。
医療職に携わっている皆さんは、一般の国民より遥かに厳しい感染予防を求められるため、蓄積した精神的なストレスは相当なものだと推察します。しかも緊急事態宣言が 3 月まで続くと聞いただけで、気分が落ち込んでいる人もいるのではないでしょうか?
私は 40 年近く主治医として医療に携わってきましたが、その中で多くの患者さん達に様々なことを教えられました。とくに強く心に残っているのは、「どんな病気でも心の関与がある」ということです。心の病という言葉をよく使いますが、心の病か体の病かという対立軸ではなく、どちらの関与が大きいかという平行軸の関係と言えば良いでしょうか。心の関与は脳梗塞や心筋梗塞のような急性疾患では小さいことが多いけれども、がんや糖尿病などの慢性疾患では、人によって程度の差こそあれ、心の占める割合が大きくなってきます。この心の問題を解決しない限り、患者さんは不幸であり続けるし、逆にそこが上手く改善できれば、例え病気そのものは治らなくても、患者さんは生き生きしてきます。
同じことがウィズ・コロナ時代の我々にも言えるのではないでしょうか?マスコミや周囲の人が、「コロナで大変だ、辛い」と合唱すれば、自分もなんだか不幸に思えてきます。行き詰まったら発想を逆向きにしましょう。そう、ピンチはチャンスの偉大な母です。コロナで生まれた時間をどのように使うのか、本気で考えたことがありますか?本を読む、絵を見る、器を愛でる、音楽を聴く、何かを作ってみる・・・これだけでも時間が足らないくらいです。もう一つ是非考えてみて欲しいのは、家族や親しい人の自分にとっての意味です。家事の手伝いもしないでグータラしている夫、言うことをちっとも聴かない子供たちも今はストレスの種かもしれませんが、いずれは離れ離れになります。今という時間をどう過ごすかで、将来の自分が変わってくるでしょう。また、一緒に暮らしてはいないけど自分にとって大切な人とは、ちょくちょく連絡を取り合いましょう。オンライン飲み会なんかいいですよ。
心だけではなく体のケアも大切ですね。コロナがくれた時間をどう使うかで、今も将来も大きく変わるはずです。因みに私は、腕立てと腹筋を始めました。少しずつできる回数が増えて行くのが楽しみです。何回できるかって?それは内緒!
長尾哲彦