お知らせ
コロナ禍の中、新しい価値を創る
2021.03.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
日々の生活の中で「コロナ」という言葉を耳にしない日はない毎日が続いています。私たちの生活も公私にわたり制限が求められていますが、とくに 1 年以上の長期戦に入った今、耐える(=守る)ばかりでは、ストレスや重圧に押しつぶされてしまう恐れがあります。私たちのコロナウイルスとの向き合い方を意識して変えていかなければならない局面に入っていると感じます。
耐えること、我慢することは大切です。しかし人間の我慢には限度があり、我慢ばかりでは気持ちも社会生活も尻すぼみになって行きます。そこで我々はコロナ禍の中でもできることを一生懸命考えています。WEB 会議などはまさにその端的な例であり、当院の会議の多くは WEB となりましたが、それなりに機能を果たせるようになってきました。WEB 上の飲み会や食事会も悪くはありません。何より交通費がかからないのがいい(帰りのタクシー代は馬鹿にならない)。下はパジャマでも良いかもしれない(相手によりますが)。年末年始に集めた募金を送った「うちわらべ」さんでは、無料食堂に集まること自体が感染のリスクになると考え、弁当の無料配達を始めたそうです。ボランティアの大学生が自転車で配送していると、見るからにおいしそうな弁当の写真を付けて知らせてくれました(サイボウズに戴いたお礼状をアップしました)。
誠愛リハビリテーション病院も何か新しい価値を生み出すことが必要です。病棟にコロナ感染者が出て病棟機能が大きく制限された時、何とか患者さん達のためになるようにと、リハビリテーション職員が自主訓練用のプログラムやリモート訓練プログラムを作ってくれました。これらは、以前から必要であると認識してはいましたが、コロナ感染症が背中を押してくれたと言っても過言ではありません。
さらに 4 月から 3 病棟で新たな試みを始めます。従来、各病棟は看護部、リハビリテーション部、薬剤科、栄養課、福祉部などそれぞれの部署が人員を拠出して構成されてきました。従って何を決定するにも、各部署ごとの決裁が必要でした。この縦割り構造をやめて、3 病棟の構成員は 3 病棟に所属するという病棟ユニット制を取り入れるべく準備を進めています。このアイデアは金山副院長を中心に看護部から提出されたもので、職員の自発性や病棟の機動力を格段に高めるものと期待しています。
新しい試みに失敗や躓きは付きものです。しかし失敗がなければ人も組織も決して成長しません。幾多の困難を乗り越えて、このシステムが病院全体に広がって行くことを楽しみにしています。目指すところは患者さん達の笑顔です。
長尾哲彦