お知らせ
一人一人の意識が生むもの
2022.02.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
先月は病院の収入と職員の給与の話をしました。結局のところ、「人を増やせ ば一人当たりの取り分が少なくなり、誰かの給料を上げるためには誰かのを下 げなければならない」みたいな話で、夢も希望もないと思われたかもしれません。いえいえ、決してそのようなことはありません。先に述べたのは、病院が生み出す利益が一定であれば、という前提条件に基づく話です。病院としての利益が増えれば、その分、職員に還元するのは当然です。
病院の利益を上げることは私たち管理者の重要な仕事です。「私たちの収入を増やすために、しっかり病院管理をやってくださいよ」と皆さんから舵取りを任されているわけですから、いろいろな作戦を練って、より利益を上げようと考えるわけです。とくに 2 年に 1 度、診療報酬改定が行われますので、新しい制度に則った病院運営を考えなければなりません。今年はちょうどその診療報酬改定の年ですので、また必要な改変を行う必要があります。また、2 年ごとの短期的な軌道修正だけでなく、地域や国の動向を見ながら、中長期的な計画を立てる必要もあります。現在、3 病棟と 5 病棟が回復期リハビリテーション病棟 1 の基準を取得していますが、これは病院の利益を上げる上で非常に有効な手段です。残念ながらコロナ禍の影響で、職員の皆さんは実質的なメリットを感じていないかと思いますが、これがなかったら収入が減っていた可能性が高いと思います。皆さんが頑張った分だけ、収入の目減りを防げたという訳です。
このように、病院の経済的な舵取りは管理者の仕事ではありますが、もっと大切なことがあります。それは何かというと、職員一人一人の頑張りが病院を活性化させ、それが近隣の病院や住民に評価されて利用者が増え、収入や利益が増えるという構図です。言うまでもなく、心を込めて日常の業務を実施していただくことが基本の基本ですが、それ以外にも職員一人一人の意識が少し変わるだけで病院の利益は増えるものです。例えば職員検診で血圧やコレステロールが高いと言われた時、慢性的な頭痛や便秘で困っている時など、わざわざ他所の病院を受診しなくても当院の外来で相談すれば、それだけで病院の利益が上がります。近所の人に当院の外来や通所リハビリテーションを紹介するのも同様です。さらに言えば、無駄な電気を消す、消耗品を大切に使うなど、ほんの小さなことの積み重ねでも、400 人余りの職員全員が意識すれば 1 年の間に大きな差を生みます。さらにそれは、我々が子孫に残す地球環境に対して優しい活動ともいえます。誠愛リハビリテーション病院も「地球環境へ積極的な関与する」という社会的使命を果たす組織でありたいと強く願っています。
病院も家庭も同じです。お金はそれが生きる使い方をしなければいけません。どんなに安いものでも必要ないものであれば無駄遣いです。逆に高額なものでもそれが家庭や組織にとって非常に大切なものをもたらすならば購入を躊躇してはならないでしょう。職員の頑張りに待遇改善という形で応えて、それをさらなる病院の活性化に繋げるためには、職員一人一人の考え方がとても大切だということをもう一度みんなで確認して仕事に臨みたいですね。
長尾哲彦