お知らせ
新病院の建設に向けて
2022.06.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
今月は職員の皆さんも気になっているであろう新病院建設についてお話ししようと思います。
ご存知のように当院は築 35 年近くとなり、老朽化が進み、修理を施さなければならない箇所が年々増えています。一方では、新型コロナウイルスに代表される各種感染症対策を始め、新しい時代のニーズに合った構造が病院に求められています。そのような状況を背景に、私が当院に着任した 4 年前にはすでに新病院建設が具体的に検討されていました。ところが東京オリンピックの準備に伴って建築需要が非常に高まった結果、建築資材が圧倒的に不足する事態に陥り、病院建設は延期を余儀なくされました。ようやくオリンピックが終わり、「さあ、仕切り直して再出発!」と思っていた矢先に、今度は COVID-19 の大流行で、世の中は建築どころの騒ぎではなくなりました。それまで積み上げてきた建築設計も、感染対策の面から大幅な見直しを迫られました。しかし、職員が力を合わせてコロナウイルスと共存しつつ、リハビリテーション医療を提供できるようになってきたため、昨年から各部署と何度も打ち合わせ会議を重ねて設計を見直してきました。その結果、新病院の設計図はようやく完成したのですが、今度はロシアのウクライナ侵攻などの影響で、またしても建築費用が高騰しているのが現状です。大まかな話をすれば、当初予算の 1.5 倍の費用が掛かりそうな状況です。とは言え、これ以上計画を先延ばしすることはできませんので、現在 6 社のゼネコンに見積もりを請求しています。6 月中には発注するゼネコンが決まる予定ですので、そうなるといよいよ年内か年明けには着工という見込みになります。職員の皆さんにはいろいろとご不便なことがあったと思いますが、新病院が完成するまでもうしばらく我慢と工夫で乗り越えていただきますようお願いします。
当院は職員の皆さんが真摯にそれぞれの仕事に取り組んできてくれたおかげ で、経営的には比較的安定しており、自己資金もかなりあります。そこで新病院建設に当たっても、かなりの程度を自己資本で賄えますが、やはり相当額の借り入れをしなければならない状況です。その返済には 10 年以上の時間を必要としますし、返済が終わったら次の建て替えに向けての貯金を直ちに開始しなければなりません。医療機器や備品の整備や買い替えにも 100 万円~1000 万円単位の資金が必要です。その中で職員の皆さんの生活が少しでも豊かになるような運営をして行くためには、やはり職員みんなが力を合わせて、病院の提供する医療の質を上げていく、それが一番大切なことだと思います。嘘のない誠実な医療、病める人を愛おしむ心に満ちた医療(これが病院の理念である「誠愛なる医療」の目指すところです)を地道に発展させていけば、必ずそれが世間に認められ、病院が発展していくことに繋がると信じています。
現場にはいろいろと不満もあるでしょう。しかしその不満が医療の質を低下させる結果になったのでは行きつくところ、私たち自身の心も財布も貧しくなってしまいます。みんなで知恵を出し合い、お互いを思いやりつつ不満を解消しながら前に進むことこそ、患者さんはもちろん、私たち自身を豊かにしてくれる唯一の道だと思います。これからも一致団結して、家族や知人にも胸を張れるような医療を展開していきましょう。よろしくお願いします。
長尾哲彦