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職員の皆さんにお願いしたいこと ~参画意識と働き方改革~
2022.07.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
新型コロナウイルス感染も小康状態を保っていますが、福岡県では日々1000人前後の新規患者が発生しており、決して息抜きできる状況とは言えません。他方、重症患者数の減少などを受けて、コロナ前の社会活動に少しでも近づけるように様々な工夫もなされています。まさに世界はウィズ・コロナ時代に入っていると感じます。
そこで今日は、ウィズ・コロナ時代の働き方改革についてお話ししたいと思います。働き方改革と言っても、国が言っている労働時間制限などとは別物です。誠愛リハビリテーション病院に必要な改革という意味です。
昨年度の収支決算が纏まりましたが、ここでは病院の利益に注目してみまし ょう。新型コロナ前の 5 年間の平均値に対して、昨年度の利益は約 10%減となっています。しかし医療崩壊を防ぐために、国から補助金が入っているのを差し引くと、実際の利益は新型コロナ前5年平均の 38.5%減と大きく落ち込んでいます。現状は入院患者数もかなり回復していますが、まだコロナ前の水準には戻っていません。さらに院内で COVID-19 が発生すると病棟閉鎖などの措置を取らざるを得ず、容易に収入が大きく落ち込むリスクを抱えています。このように、現時点で職員の皆さんの給与や賞与を上方修正する要因には乏しい一方、下方修正へのリスクは依然として高いままです。さらに国の内外に目を向けて見ると、ロシアのウクライナ侵攻の影響を受けて、物価の上昇率が半端ではありません。このような厳しい経済状況の中、理事会では皆さんの生活を守るため、賞与を下げるわけにはいかないという結論に至りました。
しかし、これは言ってみれば将来の病院からの借金です。従来と同じ仕事を同じように続けていたら、当院を利用される患者さんたちが大幅に増えない限り、未来からの借金がかさむばかりです。それを続けて行けば、乱脈経営との誹りを免れません。そこで職員の皆さんにお願いしたいことが二つあります。
第一は医療面で質の高い病院、経済的に強い病院を作るのは職員一人一人であるということを、もう一度自覚してほしいということです。もちろん、職員の皆さんがそれぞれの持ち場で、果たすべき仕事を着実にこなしてくれていることはわかっています。ただそれだけでは現状維持に留まります。一人一人がどうすればもっと良くなるかを考え、提案し、実現に向けて行動を起こすという姿勢が絶対に必要です。「そんなのは役職者の仕事でしょ?」と思うかもしれません。それはその通りですが、役職者しか経営に関与しない病院と、職員一人一人が経営に参画しているという意識を持った病院と、どちらが強いかは言うまでもないと思います。
第二にお願いしたいのは、組織を改革するに当たっては、時に苦い薬を飲まなければならないのを理解してほしいということです。多くの人は変化のない安定を望みます。しかし安定はいつしか惰性になり、ついには淀みに変わって行きます。そして恐ろしいことにそのことに全く気づかず、淀みの中で生きることにしがみつくようになります。その結果がどうなるかもまた言うまでもないでしょう。環境の変化に対応するには努力を要します。しかし努力という苦い薬を飲むことを嫌がっていては、改革は絶対に進みません。
誠愛リハビリテーション病院がウィズ・コロナ時代、ポストコロナ時代を生き抜き、同時に職員の皆さんの生活を豊かにするためには、職員一人一人の参画意識と改革への強い意志が必要なのです。
私は経営幹部の一人として、どうすれば皆さんの生活を豊かにできるかをいつも考えています。苦い薬を飲むことをお願いしなければならないことも、きっとあるでしょう。しかし、苦い薬でも正しく服用すれば、より健全な組織運営に行きつくと信じています。より豊かな未来に向けて、職員みんなの力を結集して行きましょう!
長尾哲彦