お知らせ
支えられていることを思い出そう
2022.10.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
私は「みんなで力を合わせて」というフレーズをよく使います。使い古され、当たり前すぎて、そこに注意を向ける人はあまりいないと思います、それでも、私がこのフレーズを使い続けるのには理由があります。
皆さんが「自分を支えてくれている」と感じる人は誰でしょう?すぐに何人かの親しい人の顔を思い起こすと思いますが、10 人以上が頭に浮かぶ人はとても珍しいと思います。しかし冷静によくよく考えてみたら、我々は自分が意識しているよりずっと多くの人に支えられて生きているように思います。
私の仕事を例に挙げて考えてみましょう。朝、部屋に入ってパソコンのスイッチを入れてすぐに仕事が始められるのは、お掃除担当の方が毎日部屋や環境をきれいにしてくれ、医療情報室がパソコンの維持管理をきちんとやってくれているからです。暑さ寒さに関わらず快適に仕事ができるのは、施設管理課の皆さんがエアコンのメインテナンスをしてくれているお蔭。外来患者さんの診療に当たっては、日々膨大な数の意思決定を行いますが、大きな間違いもなく今日までやってこれたのは、看護師や薬剤師や放射線技師や検査技師が疑義照会してくれるからです。医療費のことで患者さんに対応せずに済むのは医事課の職員の力があってのことですね。ほんの一握りの例を挙げましたが、何をするにも一人では何もできないことがわかります。私だけではなく、誰でも他の人の支えがあって初めて自分の仕事ができるのです。しかし、人の支えというのはとても見えにくいものですから、私たちは常々それを意識的に思い出すという努力を繰り返さなければなりません。それを繰り返すことで、「力を合わせて」という言葉の重みが実感できるのではないでしょうか?
コロナ禍の中にあって医療界は苦境に立たされています。苦しいときほど支え合うことが大切ですね。我が病院でもそれぞれの職員が各々の持ち場でこの危機を乗り越えるための工夫をしてくれています。病院の職員が口先だけでなく「力を合わせて」前に進もうとしている風を私は肌で感じています。創意工夫して誰かを支えることはたくさんあるはずです。最終的にそれが患者さんと職員の笑顔にたどり着くというのが、私の思うこの病院の目指す姿であり理想です。これからも「みんなで力を合わせて」、笑顔が溢れた病院にしていきましょう。
長尾哲彦