お知らせ
患者ファースト
2022.11.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
当院の理念は「誠愛なる医療」でしたね。誠は正直で嘘のないこと、愛は同胞を愛することです。この考えを患者さんに対して突き詰めて行けば、「患者ファースト」という思想に行きつきます。あまりに当たり前すぎて手垢がついてしまった感がないわけではありませんが、この行動原理は医療者としての基本中の基本です。全ての職員がこれに従って行動しているという組織が、真に優れた医療機関といえるでしょう。
自分がやるべく割り当てられている仕事をこなすのは、プロとして当たり前のことです。どのような世界でも一流と呼ばれる人はその上の仕事をしています。患者ファーストは決められた仕事をこなした上で、さらにどのような幸せを患者に届けることができるかという終わりのない問いかけです。廊下ですれ違ったときの笑顔、困っている時の「遠慮しないで」という一言、勤務時間外のちょっとした心遣いなど、マニュアルに書かれてはいないけれど、患者さん達を幸せな気分にさせる言動は、常にそれを意識していてこそできるものだと思います。それは自分の時間を患者さん達にプレゼントするという行為でもあります。
患者ファーストの行動は、先輩や上司が率先して若い人たちに見せてあげて欲しいと思います。それを繰り返し目の当たりにすることで、若い職員はそれを当たり前にやるべき行動原理として受け入れるようになり、さらに次の世代へと継承していきます。これこそが伝統であり歴史と呼ばれるものの重さではないでしょうか?
一人でも部下がいる人は部下を大切にしてあげてください。部下が失敗しているときは失敗した原因を一緒に考え、二度と同じことが起こらないように指導するとともに、外部からの圧力から身を張って守ってあげてください。間違っても責任を部下に押し付けるようなことがあってはなりません。人は自分がされたのと同じことを、将来、立場を変えて行うものです。どうか部下に対しても誠と愛を持って接してあげてください。あなたが上司で幸せだったと思ってくれる部下を一人でも多く作ってください。
ただ、大切にすることと甘やかすことは全く別ものです。部下の行動が患者ファーストでないと判断したときには厳しく指導してほしいと思います。このような上司としての態度は、部下を大切にするのと同じくらい重要だと思います。
職員一人一人が自分のできる患者ファーストは何なのかを考えて行動してくれることを強く願います。そうなればこの病院にはきっと患者さんと職員の笑顔が溢れ、健康を取り戻す希望に満ちた場所になるに違いないと信じています。
長尾哲彦