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私たちの誇り
2023.08.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
皆さんには誇りに思うことがありますか?もちろん、事柄ではなくて、だれか親しい人でも結構です。以前は自分の親を誇りに思うという人が大勢いましたが、今はどうなんでしょうね?
誇りに思えることや人があると言える人は、幸せだと思います。人間が生きていく上で必要なものは、お金、食べ物、健康、愛など色々ありますが、「誇りに思えること」というのもすごく大事だと思いませんか?
誇りに思えることというのは、必ずしも一つではないでしょう。自分自身について誇りに思えること、家族で誇りに思えること、日本という国に生まれて誇りに思えることなど、それぞれの場面によってその対象は変わってくることと思います。同じように職場でも誇りに思えることがあるかどうかは、その人の人生の質を大きく左右すると思います。だって、起きて活動している時間の半分近くを職場で過ごしているわけですから、その職場で誇りに思えることが何一つないとなると、幸せな仕事を選んだとは言いにくいのではないでしょうか。
さて、ここからが本題ですが、皆さんが誠愛リハビリテーション病院の職員として誇りに思えることはあるでしょうか?すぐに「あれだ!」と答えが頭に浮かぶ人はあまり多くはないのではないかと、私の立場ではちょっと心配になります。じゃ、お前はどうなんだと訊かれたら、私は即座に「あれだよな!」と思います。「あれ」って何でしょう?今年のプロ野球の世界では、優勝のことを「あれ」と言っている監督もいますが(阪神タイガースの岡田監督!)、私の「あれ」はそれではありません。
現在の誠愛リハビリテーション病院において、私が絶対的に胸を張れることは、人(とくに患者さんたちや世間の人たち)の目をまっすぐに見て言えないようなことは絶対にしないということです。これを井林理事長は「インチキをしない」というわかりやすい言葉で私が赴任する前から言い続けてこられました。私もこの点については全くの同感ですので、世の中に顔向けできないような不正な診療行為はしない、院内で何らかの決定を下すときにはきちんと職員に説明ができるような根拠に基づいて決める、などということを意識していますし、各部署の管理者も職員の皆さんが「そんな恥ずかしくて不正なことはできません」と感じるような仕事を強制したりしていないはずです。これは至極当たり前のことなのですが、その当たり前を貫き通すということはそれほど簡単ではありません。いや、とても難しいことだと思います。
皆さんの生活をもっと豊かにという思いはいつもいつも持っています。しかしそのために不要な検査をしたり不正な保険請求をしたりすると、何も知らずにまじめに働いている職員に汚れたお金をばらまくことになります。そんなことは絶対にしてはいけないと思います。皆さんが「うちの病院は金儲けは上手くないかもしれないけれど、まっとうな医療をやっている。インチキは絶対にしない」と胸を張って言えるようにすることが、私の大切な役割と心得ています。その枠組みの中で、職員の満足度を少しでも上げる努力を積み重ねることが院長に課せられた任務だとも思っています。みなさんもどうか、そのような病院で働いていることを誇りにして、日々の診療に励んでください。
長尾哲彦