お知らせ
年頭に思う
2024.01.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
皆様、新年あけましておめでとうございます。まず何より、年末年始も勤務や呼び出し待機要員として病院を支えてくれた職員の一人一人に、心より感謝申し上げます。病院というのは 365 日 24 時間、一瞬たりともその機能を停止することが許されない組織です。誰かが休みを取っているときも、他の誰かが現場の動きを支えてくれています。職員全員が助け、助けられているという意識を持たないと、質の高い医療は提供できません。今年も職種や職場の壁を乗り越えて、みんなで気持ちを一つにして、去年より良い組織にしていきましょう。
新しい年を迎えるに当たって、何を本院の一年の目標にするか、私なりに考えました。そしてたどり着いた結論は 診療の質を高める」ということです。もちろん、今まで診療の質をおろそかにしてきたとは思っていません。各人、各部署で向上のための努力をたゆまず行ってきてくれたことは承知しています。しかし、新型コロナウイルスの大流行で、目の前の感染対策に忙殺されてきたことも事実です。幸いに3年以上にわたるコロナウイルスとの戦いを通して、我々も以前ほどコロナに振り回されなくても済むようになってきました。まさに with corona の時代を迎え、もう一度、診療の質に目を向けなおす必要があると感じているところです。
では、具体的に何をしようとしているのかかについてお話しましょう。
第一に、コロナのために中断された勉強会を再開したいと思っています。それぞれの職種の中で行う勉強会はもちろんですが、多職種を交えた 病院職員」としての勉強も大切だと思います。例えば昨年実施した管理者研修は大変好評だったと聞き及んでいます。管理者がしっかりしていないと一般職員が困ります。家で言えば柱組ですので、ここのところをしっかり強化して、職員が働きやすい職場環境を作れるようにしたいと思っています。いつも言うように、管理とはあれはダメ」、 これはルール違反」と職員を締め付ける仕事ではなく、公平なルールのもとにみんながそれぞれの能力を最大限発揮できるような環境を作る仕事です。そのような意味で管理者教育は診療の質を高める上でとても重要だと考えています。管理以外にも、生命の倫理、患者の権利と過剰な行使、医療訴訟の現状、感染症対策のアップデート、医療メディエーターの仕事など、勉強したいことはたくさんあるのではないでしょうか?
第二に院内に研究のための組織を立ち上げたいと考えています。従来は医師、看護師、セラピストなど職種ごとに研究を行い、その成果を世に問うてきましたが、これからは 診療が職種横断的に行われるように)研究も多職種間で意見交換しながら進めることが必要と感じています。研究は計画の段階が一番大切で、デザインの悪い研究は残念な結果に終わることがほとんどです。立案の段階からデータ集め、解析、学会発表、論文作成まで、それぞれの職員が得意分野で自由に意見を述べ、臨床的に意義のある研究を量産したいと思います。
第三は各職場にお願いしなければならないことです。今年一年の目標を一つ決めて、一年間続けてください。抽象的なことより、具体性のあるものがいいと思います。例えば、 患者さんやご家族とすれ違ったら必ず会釈する」でもいいと思います。それぞれの職場みんなで考えたことを一年間積み重ねることで、病院の質は必ずアップします。
私自身、年頭に決めたことをいつの間にか忘れていることが多いので、今年は絶対に続けると決めたことが二つあります。今のところ何とか挫折せずに続いているので、これからも皆さんに負けないように頑張るつもりです。何を決めたかですって?それはナ・イ・ショ!
長尾哲彦