七夕が近づいています。気が付いてみると今年も半分終わってしまいました。年頭に立てた様々な計画は順調に進んでいるでしょうか？私は「診療の質を上げる」というテーマを当院の今年の目標として掲げ、各部署にアクションプランを作っていただきました。1 年の半分が終わって、当初の予定通りに進んでいるでしょうか？もう一度立ち止まって考えてみてください。報告書を読むと、各部署がそれぞれに工夫を凝らしていただいているのが判りますが、ややもすれば日常業務の延長になってしまいがちです。日常業務をきっちりこなすことは仕事の基本であり、非常に重要ではありますが、視線をもう少し上げて、今までと違ったやり方や新しい試みがないか、できないかも考えていただければと思います。
新病院の建築も随分進んできて、完成後の姿がリアルに想像できるようになってきました。予定より工事の進捗状況が遅れており、一時は引っ越しが来年 2月になってしまう情勢でしたが、もしかしたら年内に移転ができるかもしれないという報告も受けています。我々としては可能な限り早い時期に移ることを念頭に置いて進めていますので、皆さんもそのつもりで準備を進めていただきたいと思います。
新病院、すなわちハードウェアの充実は当院の価値を高める上でとても重要です。と同時にソフトウェアが大切なことも皆さんご存じの通りです。ソフトウェアにもいろいろありますが、その中で最も重要なのは、そこで働いている人だと思います。とくに病院という組織では、人という資産の持つ価値が大きくものを言います。そのような意味で、私は職員教育ということをとても大切に考えています。仕事を通して人間としても成長し、社会人として、家庭人として、幸せな人生を送っていただく支援をすることも、組織の社会的使命であると考えています。
我々は新病院に相応しいスタッフであらねばなりません。病院に来る患者さんやご家族の方々は何を私たちに求めるでしょう？医療の質は当然として、それ以外に重きを置くのは心地よさ、居心地の良さではないでしょうか？一流ホテル並みの高級感と民宿の気楽さ、この二つは相反するもののように見えますが、両立することは不可能ではないと思います。当院ではどちらかというと、民宿の気楽さに重心が置かれているように思えます。そこで、一流ホテル並みの高級感に近づくために、言葉遣いに注意を向けましょう。きれいな言葉は人の心も清々しくしてくれます。患者さんやご家族には丁寧語、敬語を使いましょう。すでに多くの職員が実践してくれているのは知っていますが、まだ一部にため口が聞こえます。これを機会にため口を病院から一掃したいと思います。もしため口をきいている職員がいたら、「病院を挙げての方針だから」と注意してあげてください。これは成熟した社会人、家庭人として育つうえでも大切なことだと思います。引っ越しまでの期間を準備期間として、新病院に移ったときは名実ともに一流ホテルの高級感に近づくようにしたいと思います。皆さんのご協力をよろしくお願いいたします。

長尾哲彦