お知らせ
働くということの意味
2024.09.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
台風一過、福岡県では幸いにもあまり大きな被害は出なかったようですが、九州南部や四国などでは家屋の損壊や人的被害も出ていると聞いています。最近は毎年どこかで大きな自然災害が起こっています。いつ自分たちが被害者にならないとも限りません。お互いに助け合う気持ちを持っておきたいですね。
さて、今更ですが、皆さんは何のために働いているか考えたことがありますか?労働が持つ意味に関して、有名な話がありますね。道でレンガを積み上げていた職人に、「あなたはなぜレンガを積んでいるのですか?」と旅人が聞いたら、最初の職人は「親方から命令されたから」と答え、二人目は「家族を養うため」と答え、最後の職人は「この町の人のために教会の大聖堂を建てるから」と答えたということです。同じ仕事をしていても、仕事の捉え方によって労働の意味は全く変わってくるというわけです。もちろん、人には食べるために働くという側面は必ずあるのですが、そこで終わってしまう人と、仕事にさらに深くて高い意味付けができている人とでは、自ずと仕事の結果が違ってきます。そして仕事の結果以上に、自分自身の幸福度、人に与える幸福度も変わってくるでしょう。医療という仕事は幸いにも労働に幸福度を高める意味付けがしやすい職業です(患者に直接かかわるか否かを問わず)。
最近読んだ本の中に、「働くというのは傍(はた)を楽にすること」という一節がありました。自分が働くことによって自分の周りの誰かが楽になる・・・そう思えるような仕事ができると、自分自身もずいぶん楽になれそうです。
最後に、我が病院の理念をもう一度確認しておきましょう。「誠愛なる医療」とは、患者さんにも、同僚にも、自分にも誠実であり、愛をもって接することでした。要するにインチキをしてはいけません、優しい気持ちで人に接してくださいね、ということです。この理念を実践するためには、働くことの意味を明確にする必要があります。あなたにとって働くということがどういう意味を持っているか、もう一度よく考えてみてください。
長尾 哲彦