お知らせ
守ります!
2025.04.07 [ 長尾院長MonthlyTale ]
今年もまた桜が咲いて、新しい仲間が入ってきてくれました。新人の皆さんは、わからないことを訊ねるのを恥と思わずに、先輩たちに教えてもらってください。先輩の皆さんは、自分が新人だったころのことを思い出して、できるだけ丁寧に教えてあげてください。ちゃんとお手入れした花ほどきれいに咲くように、きちんと指導すれば、若い人はどんどん成長していきます。
今日お話しすることは、以前にも皆さんに向けて発信したことがある内容ですが、新人も来たことですし、大事なことでもあるので、今日、もう一度繰り返します。
組織の中で職員が足並みそろえて仕事をしていても、何らかの理由でミスをしてしまうことは、人間である以上、ゼロにはできないものです。そのミスのために患者さんや利用者さんに迷惑が掛かったとしたら、それは率直に認めてお詫びをするのが誠愛の「誠」ですね。もちろん、ミスをした本人がきちんと謝ることが基本の基本ですが、その職員がルールを守って一生懸命にやっていて生じたミスであれば、病院はその職員を守らなければならないと考えています。守るというのはミスを隠ぺいするという意味ではありません。被害を受けた患者さんや社会に対して、上司が一緒にお詫びをし、責任を共に背負うということです。「ミスをしたのはあなただから、あなたが責任を取りなさい」などと放り出さないということです。「職員を大切にする組織」というのはそういう組織だと思います。
私が心からそう思えるのは、当院の職員がどこに出しても恥ずかしくないきちんとした仕事をしてくれているのを知っているからです。時に患者さんやそのご家族から、カルテ開示の要望が届くことがあります。院長としては普通、なんともいや~な思いが頭をかすめるものですが、私はいつも、「どうぞ、どうぞ、全てご覧ください」と自信をもって開示します。院長としてこんな風に思えるということは、本当にありがたいこととだと思います。そんな仕事をしてくれている職員たちがミスをしたからと言って、どうして放り出したりできるでしょうか?
もちろん、ルールは守らない、社会的規律から外れたことをする、何度注意しても改善がないなどの場合は、将来も同じようなミスを繰り返す可能性が高いので、厳しい決断を下す必要があるかもしれません。しかしこれも周囲のまじめな職員にとっては、「職員を大切にする組織」の一形態と映るのではないかと思います。
病院と職員の皆さんは共同体で、単なる労使関係ではないと私は考えています。ミスをしないことが何よりですが、たとえミスを犯しても孤独な戦いにはさせないこと、病院全体として解決に向けて動くことをお約束しますので、安心して働いてください。でも、トラブルはやっぱり起こさないのが一番ですね!
長尾哲彦