お知らせ
夢を見ようよ!
2023.02.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
この 3 年間は新型コロナウイルス感染症との戦いが続き、目の前の状況に適応するだけで精一杯でした。その結果、私たちは見るべき夢を見ることができなかったように思います。将来に架ける夢、それが仕事上の夢であれプライヴェイトの夢であれ、夢は我々が心豊かに生きていくために必須なものだと思います。夢を持つこと、夢を語ることは、国籍や年齢や性別などに関係なく、人が決して忘れてはいけないものではないでしょうか?今日は、私が夢見る病院の姿についてお話しさせてください。
今さら言うまでもなく当院はリハビリテーションに特化した病院です。ですから最良のリハビリテーション医療を患者さん達に届ける義務があります。では、最良のリハビリテーション医療とは具体的に何かと問われると、そこには様々な回答がありうると思います。私はその中でもとくに 3 つの点を大切にしたいと考えています。
第一は誠愛独自のリハビリテーション医療です。リハビリテーション医療は日進月歩です。古くて良いものは大切に守りつつ、他方で新しい医療の知見を最大限に取り入れ、その結果が誠愛独自のオリジナリティーの高いリハビリテーション体系になるのが理想です。そのためには臨床研究、基礎研究、治験など幅広い活動を院内で展開し、次々に成果を取り入れていく必要があるでしょう。そのような活動の中で人材が育ち、様々な資格が院内で取れるようになり、地域のリハビリテーションを牽引する立場になってほしいと思っています。
第二はリハビリテーションの共創です。共に作り上げるという意味ですが、補 足説明が必要でしょう。私は誠愛の強みの一つは全ての職種がリハビリテーシ ョンという一点に向かって仕事をしているところにあると思います。例えば看護部を例に挙げると、リハビリテーションのゴールや実施上のリスクなどを知った上で歩行訓練に付き合っていますね。ただ、一緒に歩くだけではありません。障碍の内容や程度から起こりうる危険を知った上で、個々の患者さんに必要なリハビリテーションを提供できる。これは凄い強みです。看護部以外の職種もほぼリハビリテーションに特化した仕事をしてますから、まさに病院中がこの分野のプロ集団となっているわけです。折角のこのような環境をもっと生かして、互いに教え、教えられる機会をもっともっと増やして新しいリハビリテーションの形を創り出して行かなければ勿体ないとつくづく思います。
第三は地域における存在意義です。医療機関は例え開設者が個人であっても、公共性という縛りから完全に自由になることはできないと思っています。つま り、我々は何らかの形で地域に貢献することを求められるということです。本院にどのような地域貢献が可能かは院内での議論を深めて行かねばなりませんが、少なくとも脳卒中後遺症を抱えて残りの人生を歩む人たちの支援は退院後もしっかり行っていかなければなりません。また認知症やフレイルなどに対する予防や対策にも、これまで以上に注力していく必要があるでしょう。そのような積み重ねによって地域における存在意義が高まっていくのだと思います。地域住民に信頼され、さらに言えばリスペクトされることを目指して私たちは頑張らなければならないのです。
病院の将来像についてはまだまだ考えていることがありますが、これらは決して固定した不動のものではありません。皆さんと対話をしながら、日々更新されていくべきものと心得ています。いつか、「院長と夢を語る会」なんていうような集まりが持てたら良いなと思います。誠愛リハビリテーション病院は、職員がそれぞれの夢を語れる組織であってほしいと願っていますので、どうか気軽に院長室を訪ねてくださいね。
長尾哲彦