お知らせ
唯一無二の存在
2023.11.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
人間にはそれぞれ長所 短所があります。近頃の履歴書には 私の長所は 」で始まる文章があって、自分の強みを強調しています。でも履歴書に書いた自分の長所に、皆さんはどれくらいの自信を持っているのでしょうか? この点においては、自分は誰にも負けない」とか このことに関しては、自分は唯一無二の存在だと思う」と本気で信じている人は、決して多くないのではないかと想像します。 ナンバーワンではなく、オンリーワンであれ」と言いますが、ナンバーワンになれない人間が果たしてオンリーワンになれるのでしょうか?大谷翔平選手や藤井聡太八冠みたいなスーパーマンではない自分など、唯一無二の存在になるなど到底無理だと思っても仕方のないことのようにも思えます。
でも今、私の話を聞いている皆さんはほぼ例外なく、既に唯一無二の存在となっていると自信をもって言えます。何よりご両親にとって皆さんは間違いなく唯一無二の存在です。妻や夫や子供たち、大切な友人たちにとってもあなたの存在は唯一無二と思われているでしょう。ナンバーワンは世間が認めるオンリーワンです。他方、世間にはその存在さえ知られてなくても、人は皆、誰かにとってオンリーワンなのだと思います。
その誰かは一人かもしれないし複数であっても構いません。いや、あなたをオンリーワンと思ってくれる人は多ければ多いほどあなたの人生は豊かになると思います。私は毎月、人事考課の中に書かれたコメントを全て読んでいますが、この人は職場の中でオンリーワンの存在なんだな」と思うような記述にしばしば出会います。家族や恋人ではなくても、深い信頼に基づいた強い絆は、人を唯一無二の存在にします。
今日の話でお伝えしたいのは、すべての職員が患者さんにとって唯一無二の存在になれるということなのです。あなたが何か一芸に秀でているからではなく、 自分の一番苦しいときに優しく手を貸してくれた」とか、 心の痛みをそっと拭ってくれる言葉をかけ続けてくれた」というだけで、患者さんにとってあなたは唯一無二となっていくのです。当の本人は気づいていないことの方が多いかもしれませんが、日々の 誠」と 愛」の積み重ねが、あなたをそのような存在に仕立て上げていくのだと思います。外来の患者さんから ○○さんは元気ですか?よろしく伝えてください」と声をかけられることがあります。そう言われている職員は、知らないうちに患者さんにとって唯一無二の存在になっているのでしょう。そのように感じてくれる患者さんを一人でも増やすことが、自分自身のかけがえのない財産になります。同時に病院自体の格を上げてくれます。病院の格は雑誌の特集で上位にランクインするようなことではなく、患者さんに唯一無二と思ってもらえる職員がどれだけいるかで決まるものだと思います。唯一無二のものは失いたくありません。失うとぽっかりと穴が開きます。病院としても組織の中で唯一無二と思われる職員を大切にするとともに、そのような職員を一人でも多く育てていきたいと考えています。
長尾哲彦