お知らせ
新しい病院のかたち
2024.03.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
2 月には各部署から診療の質を上げるためのアクションプランを提出していただきました。それぞれが知恵を絞って考えてくれたので、あとは言いっぱなしにならないように、確実に実績を挙げることが何より大切です。2月末に進捗状況の確認をお願いしましたが、まだできていないところは早急に実施してください。
提出されたアクションプランの中で、私がかねてから望んでいた病院のかたちに非常に近い内容のものがあったので、紹介したいと思います。それはリハケア本部と福祉部が共同で出してくれたもので、タイトルは リハビリテーション生活日記の作成」となっています。まず 生活日記って何?」と思われるでしょう。それは患者さんたちが入院して状況の把握ができたらなるべく早期に配布するノートであり、一人一人の病状に合わせた自己トレーニングや再発防止のための教育を実施するうえで活用するものです。回復期リハビリテーション病棟の使命は、リハビリテーションを通して生活機能を回復させるところにあるのはいうまでもありません。ただ、現状を見ていると、患者さんたちがリハビリテーションに依存してしまっている現実がないとは言えません。入院中はそれで済みますが、退院後は自立して生活を行っていかなければなりません。リハビリテーションに依存していてはいつまでも自立ができないばかりか、入院中に再獲得した生活機能が徐々に衰えていったり、疾病の再発でさらに重篤な機能不全に陥ったりしてしまいます。回復期リハビリテーション病棟には、自分の健康は自分で守るという意識づけと、そのための勉強の場を提供する使命もあると思います。医療主導型から患者主導型のリハビリテーション病棟への転換とも言えるでしょう。
今回、この試みを紹介したのは、誠愛リハビリテーション病院の新しい医療のかたちを象徴するものであると思うからですが、同時にリハケア本部と福祉部にとどまらず、病院の職員全体が一致団結してこのアクションプランに取り組む必要があると考えたからです。患者さんたちの自立を促す仕組みを確立するためには、各部署がそれぞれの立場で後押しをする必要があります。やっぱりリハビリテーション病院は 皆で力を合わせて」が大切ですね。
長尾哲彦