お知らせ
新しい年度を迎えて
2024.04.01 [ 長尾院長MonthlyTale ]
新年度を迎えて私たちも心機一転、新しい目標に向けて一歩を踏み出さなければなりません。年頭に掲げた「診療の質を上げる」という目標に沿って、各部署でアクションプランを立てていただいていますので、こまめに見直しを行いつつ、成果を上げていただきたいと改めてお願いする次第です。また今年度は、昨年から続けてきた職員の相互評価の結果を集計し、個々の職員のさらなる成長やモティベーション向上につなげたいと考えています。また 11 月には待望の新病棟に移転して診療を始めることができますし、院内の教育・研究を統括する部署の立ち上げも予定されています。
このように、医療機関としてより高いレベルに向かって進むためには、職員が安心して仕事できる職場でなければなりません。昨今のように、物価高が給与の上昇を上回るスピードで進んでいる状況では、給与をいかに上げていくかということを最優先事項と位置づけ、それを実行できるための計画を立てるのが病院管理者の責務であると考えています。ご存じの方も多いと思いますが、令和 6 年度の診療報酬改定では、職員の基本給等を上げるための特例措置(ベースアップ評価料)が取られることに決まっています。「それは良かった、これで安心」と私も思ったのですが、ふたを開けてみるとびっくり。入院基本料は確かに 100 点くらい上げられているのですが、一方で体制強化加算という制度が廃止されることで 200 点の減点になっているのです。また、外来の初診料や再診料がわずかに上がっていますが、もともと外来患者の少ない当院では、収入増加は微々たるものです。今までと同じやり方でやっている限り、当院の収入は増えるどころか確実に減ってしまいます。ですから、何とか運営の仕方を工夫して、従来以上の収入を得て、それを職員に還元していくというシステムを作り上げて行かなければなりません。
現在考えられる一番有効な対策は、入院患者数を増やすことだと考えています。現状では入院待機患者が 10~20 名程いますが、新病院に移転して患者の受け入れ態勢が整備されることで、待機患者を 10 人以下に減らすことができれば、入院患者数が 10 名増えることになります。また、回復期リハビリテーション入院料 3 の病棟を入院料 1 に引き上げることも、真剣かつ慎重に検討しなければならないと考えています。外来の運営の仕方もこれを機に大幅に変える必要があると思います。
このような変革は、誰にとっても気持ちの良いものではありません。単純な仕事量は増えてしまうことが多いからです。しかし、このように大変な時に、職員の心がバラバラになってしまっては組織が崩壊してしまいます。私を含め病院の管理業務にあたる人間は、職員全体の代表として組織運営のための改善案を出してそれを実行に移します。決して一般職員 vs 管理職員の対立構造ではありません。ですから職員の一人一人が病院運営に関わっているという思いで、改善案などあればどしどしお知らせください。
厚生労働省が描いているような賃上げスキームにはなりませんが、それに可能な限り近づくような努力を続けることをお約束しますので、皆さんも大変とは思いますが力を貸してください。力を合わせることでこの難局を切り抜けましょう。
長尾 哲彦