お知らせ
3本の柱
2026.06.03 [ 長尾院長MonthlyTale ]
私たちの病院の理念は何でしょう?答えがとっさに頭に浮かばなかった方は、これから私が言うことをもう一度頭に叩き込んでください。誠愛リハビリテーション病院の理念は「誠愛なるリハビリテーション医療」です。誠愛の誠はまこと、つまり嘘偽りのない誠実さを表します。理事長や私がしばしば口にする「インチキをするな」というのが、まさにこの誠です。誠愛の愛は言うまでもなく、愛おしむこと、大切な人と感じる心です。博愛精神と言っても良いですが、私には愛おしむという言葉が一番似合うような気がします。理念というのは、ある集団がもっとも大切にして、それをもとに全ての行動を決定する精神です。人で言えば信念、国で言えば憲法みたいなものでしょう。集団が理念を共有することで、その集団のカラーが決まります。私は誠と愛でこの病院を彩りたいと願っています。
さて、理念共有の大切さは理解していただいたと思いますが、理念だけではちょっと抽象的すぎるというのも事実です。そこで私たちの向かう方向性をもう少し具体的な言葉で表す必要があるかと思います。この点については以前から考えてきたのですが、そろそろ皆さんと共有したいと思うので、本日公開いたします。それは当院リハビリテーション医療の3本の柱です。
第一の柱は「からだ」です。これは説明の必要もないことで、リハビリテーションと言えば「また体が動くようにする医療のことね」と多くの人が思い浮かべることでしょう。
第二の柱は「こころ」です。身体機能の喪失に伴って、多かれ少なかれ人は心にも傷を負います。体のケアだけで心に目が行っていなければ、決して本当の意味での健康を取り戻すことはできません。また心のケアなくしては体のリハビリテーションが進まないというケースも皆さん、一度ならず経験したことがあるでしょう。心のケアについては、日々の診療の中でどんなことに注力すればよいのか、どんなことをやっていくのかをそれぞれの現場で話し合ってほしいと思います。そして何か一つでいいので、実行可能なプランを作っていただくようお願いします。
第三の柱は「脳」です。これはちょっと抽象的で説明を要すると思いますが、医学用語でいえば「高次脳機能」ということになります。医療職以外の方々のために簡単に説明しますが、高次脳機能というのは、言葉、記憶、認識、行為遂行、情動コントロールなど、人間ならではの高度な脳の働きのことです。これらが障害されると失語、失行、失認、脱抑制など様々な障害を来し、患者さんのその後の人生の大きな妨げになります。高次脳機能障害の中には自分で全く気付いていないけれども周囲から見ると生活の大きな障害となっており、社会的なハンディキャップを背負うもとになるものが少なくありません。麻痺はないけれど車の運転ができない人達はその好例です。私たちは高次脳機能障害のリハビリテーションにしっかり取り組んできた伝統を持っており、これからもそれを特色の一つとして伸ばしていきたいと考えています。
3つの柱は職員の皆さんに病院の進む方向性を示すものであると同時に、対外的に私たちが何を大切にしているかを知っていただくためのものでもあります。今後はHPやパンフレットなどで広めていきたいと考えています。皆さんも3本の中のどの柱に貢献できるかをそれぞれで考えてみてください。

