お知らせ
リハビリで脳が甦る!
2011.09.05 [ 井林院長MonthlyTale ]
110905 9月朝礼訓示 #1109
大型の台風 12 号が深い爪痕を残し過ぎ去った同じ日に、9 日間に渡りテグ市で開催された世界陸上競技会はフィナーレを迎えました。この初秋の同じ時期に、台風や洪水で災害に遭われた多くの方々、ジッと家に籠り切りでテレビのお笑い番組やスポーツ中継の観戦や韓流 DVD を楽しんだ方、新たな命を背負って生まれてこられた人、病気や事故で亡くなってしまった人々、本当に様々な事象が場所を変えながら繰り返されているものです。
さて、自分の昨日(9/4)のイベントはと申しますと、大分市内で初めて開催された「脳卒中市民公開講座」に日帰りで列車往復して参りました。脳卒中や認知症に大変関心の深い熱心な市民の皆さん(約 400 名)の前で、大分大学神経内科や脳外科の先生方とともに、日本脳卒中協会 JSA が掲げている「脳卒中予防10か条」の具体的な話や歴史上脳卒中で倒れた著名人などのスライドを交えて、特別講演の話をさせて戴きました。回復期リハビリ病院の院長でもありますので、脳卒中のリハビリの話は避けて通れませんが、強調したかったのは矢張り出来るだけ脳卒中にはならないよう、或いはなるにしてもせめて後ろ倒しの効くよう、普段からたまには想定外のことも念頭に思いを巡らせ予防策を練る習慣付けならびに努力を致しましょうと、何時もながら自分のことは全く棚上げの内容になってしまいました。
ちょうど、その夜に NHK スペシャル「脳が甦る〜脳卒中・リハビリ革命〜」が放映されるこ とを事前に知っておりましたので、熱心な聴衆の方々にもご覧になるよう紹介をいたしました。 (http://www.nhk.or.jp/special/onair/110904.html)。今注目を浴びている促通反復療法や BMI(Brain Machine Interface)のドキュメンタリーで、脳卒中発症後半年を越えるとリハ効果が激減する所謂「6ヵ月の壁」が立ちはだかりますが、患者さんによっては数年経ってほとんど動かず固まってしまった手首や指先の動きが、促通刺激や HANDS 療法で著明に改善する様が放映されました。脳には可塑性があり新たな理論を組み合わせたリハビリ手技によって、麻痺した手足の機能は見る見る甦りまるで Magic を見ているかのような、しかしこれが過去の常識を覆す新規リハビリ革命の結果であるという内容でした。加えてとても印象に残ったのは、リハビリに伴う如何なる小さな改善に対しても、常に前向きに患者さんを励まし只々褒め続けること、、、セラピストのこのような声かけはもの凄〜く効果があるようで大変驚かされました。考えてみれば、このことは子供の教育、子犬の躾などにも通ずるもので、事程左様に皆一緒なのだと気付き半分冗談で家内に話すと、「今頃気付いたの?」と一蹴されてしまいました。最 近やっと7ヵ月齢(ヒトで言えば幼稚園年少さんくらい?)になった我が家のトイプードル犬に、やっと「伏せ」を覚え込ませましたが、何度叱っても決してできなかったのが、エサで釣り反対側から膝下に潜らせる方法を用い、成功時にはそれは大袈裟に褒めちぎることで、何と数日で覚えてしまいました。もう間に合いませんが、自分の子供達ももっと褒めて育んでいれば良かったのになァと反省頻りです(リハビリと犬の躾を同列に論じまして、誠に相済みません!)。
2匹揃って「伏せ」ができ、褒められてご満悦のチビ犬です,,,